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あの旅客機の墜落事故から３３年の月日が経ったと報道されている。

多くの犠牲者の方々のご冥福を祈らずにはいられない。

 

１０年ほど前、私はこの事故現場であった山の麓に仕事で行った事がある。

なのでこの事故について、ことのほか強く印象に残っている。

 

朝、その村にたどり着いた時、人里離れた自然豊かな山中であるにも関わらず、とても活気あるそのエリアに戸惑いを覚えた。
恐らくはその施設の建設に携わる多くの人や工事関係車両の出入りによってであろう。

その地域のみの厳格な交通ルールもあり、その為だけに機材を揃えたりもした。

当時、年中東奔西走していた私は、そこがあの事故現場だという事に事前に気付かなかった。

ただ一つの仕事先に過ぎなかった。

 

仕事の内容はいつもと変わらなかったが、辿り着くまでの道のりやルール、その施設内は私がその時まで経験したことのない特異な環境であった。

その仕事先での体験と、あの事故が絡み合い、私にとっては強く記憶に残り、かつ不思議な感覚として頭に蘇る場所である。

 

今はもう、その頃とは変わっているだろうか。

バイクで行ってみるには丁度良い距離だが、観光気分で足を踏み入れてはいけないような気がして、あの時以来、訪れていない場所である。

 

 

writer  H.Y