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ポンプの不具合による事故

  • 2020年11月09日 09:21
  • カテゴリ: お知らせ

私がかなり前に在職した職場で実際に経験した例を、二例ほど載せようと思います。

 

ご存知の方には、ポンプの空運転や締切運転の連続、起動頻度過多などがどのような不具合をもたらすかなど、当然の事なので説明するまでもないことですが。

 

実際に勤務場所に常時運転をするポンプが多数ある設備では、予想出来ない状況を目の当たりにすることがありました。

 

 

 

「空運転」の例

 

原因『フート弁不具合による落水』

設備用途は10年以上前のことで失念しましたが不具合発見の経緯より揚水ポンプの類だったはずです。

まず運転条件により起動・停止を行うタイプのポンプが起動、他設備の遠隔監視をBEMS(Building Energy Management Systemの略称)で行っていた職員が運転時間の異常に長いポンプがある事に気づき、運転状況を機器トレンドで確認

通常の運用状況ではあり得ない長時間であったため設備機械室を確認したところ空運転を確認した為に遠隔で停止。

 

・ポンプケーシング温度を放射温度計で測定したところ百数十℃まで上昇していた

当然、そのまま再使用は不能のため長時間の放置で温度低下を確認したあとで、ワイヤーでフート弁動作を確認、呼び水をポンプに注入後に試運転を行いました

当然、高温上昇によるポンプ金属以外部品の劣化は発生したものと思われますが故障発生での運用停止は早期の発見により免れました。

日常巡視を毎日行い、空調用冷温水ポンプなどの常時運転機は軸受け温度の放射温度計での記録も行う職場でしたが、常時運転ではないポンプは運転状態または定期点検時試運転でのみ吐出圧・運転電流の測定を行っているのみのため発生前の発見ができなかったものです。

 

 

 

「締切運転」の例

 

こちらは多分に設備構成の理解不足での運用が原因と思われるものです。

私はその現場客先には途中から入ったので詳細はわかりませんが、その年の4月より他社(オーナーの関連会社)より管理業務を引き継いだところで。

引継ぎ当初より設備の運用変更は行っていないところでした。

 

設備用途は地域冷暖房施設の冷水受入れ設備、熱交換器二次側の需要家側 空調用冷水循環ポンプ

・一般的に冷温水を用いた空調の場合は空調負荷の状況にあわせて冷温水の流量の調整をおこなっており、新しい設備構成では循環ポンプのインバータ流量制御を用いる場合が多いですが該当施設では旧来からある、往き側ヘッダー(又は配管)と還り側ヘッダー(又は配管)間のバイパス弁で冷温水を適宜バイパスさせる事による流量制御を行う構成で。しかも自力式と呼ばれるものを用いたものでした。 (他に差圧でモーターバルブ・空気圧などで弁開度調整を行うものもある)※ポンプ電動機は常時定格運転

 

発生事故は、バイパス弁がなぜか全閉状態で固定になったままで。 シーズンオフで冷水需要が低下した事により流量がほぼ0になり、結果的におきた『締切運転』の継続によりポンプケーシング内および『冷水配管内』の冷水が”蒸発“に至り(配管サイズ100A前後はあったように記憶しています)

還りヘッダー部で一定以下への圧力低下での加圧給水ポンプ起動制御により配管内に給水から⇒ポンプケーシングに水が押し込まれ、水が蒸発し蒸気のみになった配管内でウォーターハンマーが発生してしまいました。

 

点検時に水撃音を耳にする機会がありバイパス弁に関しても開度状況に違和感をもち、共に社内での報告済みにも関わらず早急に客先への報告・原因究明を専門的に行わずに先延ばしにしていた為。 最終的にポンプ吐出側直後のゴム製防振接手が高温に過熱された状態でウォーターハンマーが発生し『ゴム製防振接手の破裂』に至りました。

※幸い他施設や直下テナント販売店の商品の水損は発生せず

なんと事故後に様々な資料を確認していたところ、同一事象が前管理業者担当時にも発生していたことを対応業者の報告書履歴書類で確認されるというオマケが…

 

幸いにも私自身はポンプ他の電動機の焼損には出くわしたことはありません。

車の事故などでもそうかと思われますが、関連する設備がどのような故障を起こす可能性があるかを若干程度でも頭の片隅に置いておければ。

1件目の例のように適切なフォローが可能になる事もあるのかも知れませんね。

 

 

 

ひ〜!盤の半面だけにこんなにポンプがたくさん!! ※写真は文面とも職場とも無関係です

 

writer M.W

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